事故の前の半年を含む約2年間の記憶が全て失われていて新しいことを記憶することができません。

「川内先生の記憶障害の原因が脳に存在しません。」by三瓶先生

これって、毎回日記を読む言葉で脳に刷り込んで記憶障害を作っているのだろうか?


川内先生の実家

14年前、畑仕事中ミヤビのお母さんが倒れた。

「手術は上手くいきましたよ。朝までには目を覚まされると思います」「ただ後遺症が残る可能性があります。脳の病気っていうのはね、命が助かってそれで終わりじゃないんだよ。手も足もちゃんと動いて元どおりの生活ができるようにお母さんはリハビリを頑張らなきゃならないんだ。応援してあげようね。」by大迫教授


「お医者さん復帰おめでとう」by川内家のみんなと大迫教授

「ご飯作れるのは、大迫先生のおかげ。倒れたとき、こんな田舎に先生がちょうどいてくださって。運が良かったわ。」byミヤビのお母さん


「この子だって、お医者様になりたい!なんて言い出して、ははっ。先生にはさんざん面倒見ていただいて。」ミヤビのお母さん


「私、三瓶先生に脳を検査してもらったんです。」byミヤビ先生


「川内先生の海馬の損傷は僕の予想よりもはるかに軽度でした。事故から1年半たってこんなに重度の記憶障害が残るようなそんな大きな損傷を川内先生の脳は最初から負ってないのかもしれませんね。」by三瓶先生

「負ってないったって現に記憶障害が。」by星前先生

「だからおかしいんです」by三瓶先生

「他に原因があるってことですかね。」byミヤビ先生

「現状この画像を見る限りでは記憶障害の原因は見当たりません。」by三瓶先生


「残念だけど三瓶先生の見立ては間違っているよ。原因はそう簡単に見つけられないところに隠れてる。君が見てもわからなかっただろう?」「そりゃ治るかもしれないなんて言われたら。あぁ〜これが怖かったんだよな。まぁ確かに三瓶先生は昔から優秀だったし、君を脳外科医に復帰させてくれたことは感謝してる。」「彼は軽々しく患者に希望を見せる。危険な医者だよ。」by大迫教授


「だから私のMRI画像もお見せにならなかったんですね。」byミヤビ先生


「独断は確かに問題だね。君らしくないね、どうしたの?これは僕の想像なんだけど。川内先生の記憶障害が治ることで綾野君のことを思い出すのを心配してる?」by大迫教授

「私が見せなかったことで川内先生の治るチャンスを奪ってしまったことになりますか?」by西島秘書

「いや、それはないよ」by大迫教授


「日本人の20人に1人が持っているという統計があって、知らずに生活されている方もけっこういらっしゃいます。」byミヤビ先生


「小さな子どもは不審者であっても笑顔の大人をいい人として認識してしまう傾向がありますから。そういう意味では満点の対応でしょう。」by三瓶先生


「頭に爆弾入っているようなもんだぞ」by加瀬

「こんなに悩むならほんと知りたくなかった〜。」by加瀬


「どんなに計算しても結果がいい方になるとも限らないしな。一発勝負のギャンブルみたいなもんだよ」by星前先生

「その人の人生観にもよりますしね。結局は加瀬さんに決めてもらうしかないから。」byミヤビ先生

「開頭手術とカテーテル手術っていうのは、それぞれメリットとデメリットがあって意見が分かれるところなんだよ。」by星前先生


「医療というのは常にアップデートされた最新のものであるべきであってさ。そう意味でもカテーテルは体の負担をぐっと減らすことができる患者に優しい夢の技術だよ。もちろん最先端医療を優先して患者を置いてけぼりにしちゃいけないから注意が必要だけどね。」by綾野先生


「僕、振り回されてますよね。いっそうのこと何年後に破裂するのかこの動脈瘤が教えてくれたらいいのに。」「こいつに聞いたって何も答えてはくれないって。」 by加瀬

「答えはくれないですけど加瀬さん自身がどうされたいのか。この未破裂動脈瘤とどうつきあって暮らしていきたいのか知りたがってるかもしれないですね。」byミヤビ先生

「あっそっか。逆に僕がこいつに問われてるんですね。僕はどう生きるべきなのか。手術を受けます。こんなふうに破裂におびえながら生活するより、結果はどうあれ、今できることを精いっぱいやって家族と一緒に楽しく暮らしていきたいから。」by加瀬


「お互いすばらしい学習能力ですね」by三瓶先生

「ご不安があればお話お伺いしますよ。僕はこう見えて脳外科医なんで。」by三瓶先生


「やはり全ての腫瘍を取りきるのは危険でありやるべきではないと判断しました。腫瘍を残しても生存率は高く今後も適切な治療を続けることが可能です。危険を冒さずに安全、確実に手術を終えたいと思いますがご了承いただけますか?」by大迫教授

「いや、全部取れます。」「その患者の場合は全摘を目指すべきです。」by三瓶先生

「翔太くんの腫瘍は放射線の影響でかなりひどい癒着が見られます。これ以上の摘出は困難です。」 by大迫教授

「手術を繰り返せば癒着はどんどんひどくなります。一気に取るべきです。」by三瓶先生

「瀬戸村さん冷静に考えて下さい。そこにいる彼は確かに脳外科医ですが、翔太くんとは今日初めて。しかもモニター越しで見ただけで正しい判断が下せると思いますか?」by大迫教授

「わかりました。ただ一つ提案があります。モニターで見る限り助手の経験が浅いですね。教授に余計な負担がかかってませんか?大学は教育機関なので仕方ない部分はありますけど。これから先はベテランの助手と交代してはいかがですか?」by三瓶先生

「結城先生を呼んでください。」by三瓶先生

「助手は交代しますが、これ以上は危険です。安全に取れる所まで取って手術を終えたいと思います。リスクを冒して腫瘍を取ろうとして深い所にある血管が破れれば翔太くんの命に関わります。by大迫教授

「そちら側から癒着剥離。無理のない範囲でお願いします。あぁ…ちょっと何やってんの?無理するな…って。」by大迫教授

「うん、こちらの剥離終わりました」by三瓶先生

「結城君すまない。このまま続ける」by大迫教授

「失敗は許されない。確実に取りきるぞ。」by大迫教授

「最初からそのつもりです。」by三瓶先生

「腫瘍は全て取りきりました。」by大迫教授


「許されないことした自覚はあるのかな?」大迫教授

「医療には法令よりも道義が優先されるべき瞬間があります。僕は確実に剥がせる自信がありました。」by三瓶先生

「うぬぼれるんじゃない。」by大迫教授

「うぬぼれじゃありません。フィラデルフィアの年間手術件数は日本の約5倍です。8年間で日本の医者の40年分の経験を積みました。」by三瓶先生

「どんな実績があろうと勝手に手術に入り込み、診察したことない患者の体にメスを入れる。それが無謀でなくて一体何て言うんだ。自分の腕を過信して好き勝手するのもいいかげんにしろ。」by大迫教授

「目の前に助けられる患者がいるのに助けるなとおっしゃるんですか?」by三瓶先生

「助けられるかどうかは賭けだろう。君はいつもリスクを取ってでも強引に完治を目指そうとするが、それで毎回勝てる保証はあるのか?医者は患者の安全を守って良識的な治療をする義務がある!君がしているのは医療じゃない、自己満足だ。」by大迫教授

「では、その良識的な治療のために川内先生のカルテを見せてください。」by三瓶先生

「まだわからないんだな。私が許せないのはもう一つ。安易にご両親に希望を持たせたことだよ。川内先生にしたようにね。帰りなさい。」by大迫教授


「今日は安静にして明日以降はもう歩けますよ。」by綾野先生


「どっちも好きじゃなかったですか?」byミヤビ先生

「いや…前にもこんなことあったなと思って。ありがとう。お先にね。」by綾野先生


「実はね、三瓶先生がうちの病院に来たの。大迫教授は問題を大きくするつもりはないって。でも、患者さんの命を危険にさらして成功したからいいだろうって話じゃないでしょ。」「今日はありがとう、綾野先生に協力してくれて。」「ミヤビちゃんの患者さんを綾野が手術したでしょ?」「論文を書くのに高学歴の患者が必要だったの。おかげで論文が進んで結婚も進みそう。」by西島秘書


「これで論文のために症例がそろいました。患者の情報をくださってありがとうございました。」by綾野先生

「なるべく早く論文を仕上げるんだね」by大迫教授


「つまり三瓶先生にMRI画像を見せなかったのは正解だったということですね?わかりました、私も協力します。」by西島秘書


「とにかく三瓶先生のことはあんまり信用しないほうがいいと思う。」by西島秘書


「早いとこ格好つけて麻衣と結婚してもらわないと。」by西島会長

「全て計画どおりに進めますので。」by大迫教授

「あの川内先生だっけ?」万が一にも記憶が戻ってもらっちゃ困るよ。」by西島会長

「承知してます。あの男には手を出させません。」by大迫教授


次回へ続く


ミヤビ先生の記憶が戻ってしまったら困ることって何だろうか?

大迫教授がミヤビ先生の記憶をコントロールさせているのか⁈ミヤビ先生は大迫教授を信頼している間は記憶障害は戻らずということか⁈

 脳を騙せるということは、メリットもあるけどデメリットもあるってことだよね。

 例えば親や先生とか影響力を与える大人が子どもに投げかける言葉も気をつけてないと子どもに暗示をかけてしまい、できることもできなくなったり、できないことを強調されることで余計できなくなったり、慎重になってしまったりしてできなくなったりとそういうことも一緒かしら⁈なんて思ってしまった。


西島会長が牛耳っているのか⁈


大迫教授は三瓶先生に良識的な治療について言う資格はあるんだろうか?


 綾野先生は、カテーテルがやりたいために医者になったのに、そう簡単に捨てられるのだろうか?

 結婚するメリットとはなんだろうか?なんて思ってしまいますが、今後明かされていくことでしょうか⁈

 論文のためにカテーテルで未破裂動脈瘤を手術させる方向に仕向けたのか?ともとれるが、加瀬さん自身も頭切るのを望んでいないのだから、まぁ、お互い良かったのだろう。でもなぜ高学歴の患者の症例でなければならなかったのだろうか?なんて疑問に思った。


 前回、西島秘書も怪しいかな⁈なんて思ったけど、今後、大迫教授の動きや西島会長の動きを知って、ミヤビ先生の味方についてくれる人になるのかな⁈とも思った。


 綾野先生もどこまで上層部のことを知っているんだろうか?

 ミヤビ先生のことが好きだったのであれば、今も好きならば、味方になっていって欲しいと思ってしまいますね。


 ミヤビ先生は三瓶先生を信じて記憶を取り戻して欲しいなと思います。


 次回も楽しみですね。